Reform Column
リフォームコラム
Vol.99 断熱リフォーム解説 葛飾区・江戸川区・足立区と国や東京都の補助金【2025年版】
省エネ生活を実現できるエコ住宅。そんなエコ住宅を作るために欠かせない重要な要素のひとつが、断熱性です。
これから家を建てる人は断熱性について考慮して家を建てることになると思いますが、すでに住宅をお持ちの方でも、リフォームをして断熱性を上げることをおすすめします。断熱リフォーム(リノベーション)にはさまざまなメリットがあり、補助金制度も充実しています
断熱リフォーム(リノベーション)のメリット
断熱リフォームとは、住まいの断熱性能を向上させるためのリフォームを指します。住まいの断熱性能を高めることで、次のようなメリットが得られます。
光熱費の削減
断熱リフォームをおこなうことで得られる最大のメリットは、光熱費を削減できることでしょう。
冬場は、壁や床から外の冷気が部屋に侵入します。一方、夏場は、エアコンで冷ました空気が壁や床から外に逃げてしまいます。断熱性能が低いと、いくら部屋の中の温度を調整しても、部屋の中に留まりにくくなってしまいます。その分、エアコンなどの冷暖房効率が落ち、光熱費がかさんでしまうのです。
窓や壁、屋根、床などから家の内外へ出入りする熱を最小限に抑える断熱リフォームは、家の中の温度を一定に保ちやすくし、光熱費の削減につながります。断熱リフォームにはそれなりの費用がかかりますが、80年代の省エネ基準の住宅を現在の省エネ基準の住宅にリフォームした場合、30年間で120万円の節約になるというデータもあります。長く住む予定の家であるならば、思い切ってリフォームすることをおすすめします。
健康に良い
断熱リフォームは、健康面への効果にも期待できます。
冬場の浴室などで起こる「ヒートショック」は、家の中の寒暖差が主な原因といわれています。寒い地域ほどヒートショックの割合が高いようにも思えますが、実は関東以南の地域のほうが冬期の死亡増加率は高いという統計があります。これは、断熱性能の高い住宅の普及率が要因と考えられます。北海道や東北などの寒い地域では住まいの断熱化率が高く、外気は寒くても、家の中の温度は一定に保たれやすいのです。
出典:国土交通省「なるほど快適・安心なすまい 省エネ住宅」
また、断熱性能が低い住まいは、結露が発生しやすいため、カビやダニの発生を助長します。気管支ぜんそくやアレルギーなどの疾患も、断熱性能が高い家に転居することで改善されるケースが多いといいます。
防犯性の向上
断熱リフォームの副次効果として、防犯性の向上にも期待できます。
断熱リフォームの方法のひとつに窓を複層ガラスへ切り替える、また内窓を設置する、というものがあります。窓はいわゆる開口部というもので、熱が最も流出入する箇所です。複層ガラス、内窓を利用することで、熱損失を大幅に少なくすることが可能になります。
複層ガラスは単層ガラスよりも割れにくくなっているものが多く、防犯性が高くなります。
断熱リフォームの方法
断熱リフォームでは、窓や壁、床、天井など、熱が家の内外へ出入りする部分の断熱性を高めます。
最も効果が高いのは窓のリフォーム
家の中で最も熱の流出が大きいのは、窓。窓の改修が、断熱リフォームとして最も効果的といえるでしょう。
窓の断熱リフォームは、次の3つに大別されます。いずれも後述する壁・床・天井の断熱リフォームより簡単に施工できるため、費用やリフォーム期間の面からしても効率的です。
1.断熱シート・断熱フィルムを貼る
最も簡単な窓断熱は、窓ガラスに断熱フィルムを貼ることです。断熱シートは100円ショップやホームセンターで購入することもできますが、フィルムタイプを貼る場合は業者に依頼する必要があります。断熱フィルムは、断熱シートと比べて断熱性能や透明性が高いのが特徴です。
2.断熱性の高い窓に交換する
断熱シート・断熱フィルムより高い効果に期待できるのが、窓ガラスやサッシの交換です。断熱性の高い複層ガラスや樹脂製のサッシなどにすることで、開口部の断熱性を高めます。
3.内窓を設置する
既存の窓の内側に窓を設置して二重窓とすることで、断熱性能を高めることもできます。マンションの窓は共用部にあたるため基本的に個人の独断で改修できませんが、内窓なら設置可能です。(一部取り付け不可の形状の窓あり)
内窓と既存の窓との間に空気層が生まれることで、断熱性能の向上や結露の抑制に加え、防音効果にも期待できます。
※参考: 窓断熱リフォームで冬を快適に過ごそう!
断熱材の追加
壁・床・天井の断熱材を追加することで、断熱性を高めます。一度、壁を剝がす必要があるため、一定の期間がかかるリフォームです。
外壁の高断熱化
外壁に断熱塗料を塗ったり、断熱材を施工したりする方法もあります。外壁の改修は足場を立てる必要があるため、こちらも一定の期間がかかります。
断熱性能はどこまで高めればいいのか?
「リビングや浴室の窓だけ」「リビングの天井・床・壁だけ」の断熱リフォームも可能ですが、住まいの温度差を最小限にするには1軒丸ごとフルリノベーションする必要があります。最低限、目指すべきなのは「省エネ基準」レベルとなりますが、セイズではより断熱性能が高い「G2」レベルのリノベーションをおすすめしています。
省エネ基準
2025年度からは、すべての新築住宅に省エネ基準への適合が求められます。同じく2025年度からフルリノベーションも確認申請が義務化されるため、増改築部分にも省エネ基準適合が求められることとなります。したがって、省エネ基準レベルは最低限の水準といえるでしょう。
省エネ基準の断熱等性能等級は「4」です。断熱性を表す外皮平均熱貫流率(UA値)は「0.87以下(東京都)」と定められています。
ZEH水準
2030年には、省エネ基準がZEH水準にまで引き上がることが決まっています。そのため、居住快適性や今後の資産性を考慮するなら、ZEH水準は不可欠と考えられます。
ZEH水準の断熱等性能等級は「5」。外皮平均熱貫流率は「0.6(外皮性能)」です。
G2レベル
G2とは、HEAT20(一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会)が提唱する省エネ基準やZEH水準を大きく上回る省エネ性能です。東京都などの地域では、冬でも「概ね13℃を下回らない」ことが基準となっており、外皮平均熱貫流率は「0.46」となります。
ここまでの断熱性能は「過剰」と感じられるかもしれませんが、世界的に見て、日本の省エネ基準やZEH水準は決して断熱性能が高いとはいえません。たとえばイギリスでは、すべての新築住宅に18度以上の室温が維持できる断熱性能が義務づけられています。
断熱リフォームの補助金制度
省エネ基準を満たしたリフォームに対して、国や市町村から減税や補助金の給付といった優遇措置を受けることができます。
断熱リフォームであれば、以下の優遇制度に該当する可能性があります。国・都・区など補助金を支給する機関が異なる制度は、原則的に併用可能です。
事業主 | 事業名 | 補助対象 | 補助額等 |
---|---|---|---|
国 |
先進的窓リノベ 2025事業 |
ガラス交換・内窓設置・外窓交換 | 改修に関する費用の1/2相当等を定額補助(上限200万円) |
子育てグリーン住宅支援事業 | 必須工事:開口部の断熱改修・躯体の断熱改修・エコ住宅設備
附帯工事:子育て対応改修・バリアフリー改修等 |
必須工事3種全て実施:上限60万円/戸
必須工事3種のうちいずれか2種を実施:上限40万円 |
|
都 |
既存住宅における省エネ改修促進事業 | 高断熱窓・高断熱ドア・断熱材・高断熱浴槽 | 高断熱窓:上限100万円
高断熱ドア:上限16万円 断熱材:上限100万円 高断熱浴槽:上限9.5万円 |
東京都既存住宅省エネ改修促進事業 | 省エネ診断・省エネ設計 | 省エネ診断:上限17万円/戸・省エネ改修:上限36万円/戸 | |
区 |
【葛飾区】かつしかエコ助成金 | 断熱改修など | 断熱改修の上限額は20万円/戸 |
【江戸川区】住宅リフォーム資金融資あっせん制度 | 住宅用太陽エネルギー利用機器・高効率給湯器・家庭用燃料電池コージェネレーションシステムの設置工事、屋根・外壁・窓等の断熱性または遮熱性を高める工事など | 江戸川区が一部利子を負担。融資額最大500万円 | |
【足立区】省エネリフォーム補助金
※令和6年度受付終了 |
ガラスの交換・窓の交換・内窓の設置・断熱材の設置・遮熱塗装 | 補助対象経費(消費税は除く)の3分の1に相当する額(1,000円未満切捨て、上限5万円) |
※詳細につきましては、国・東京都・お住まいの自治体の公式サイトや窓口でご確認ください。
断熱・耐震同時リフォームのメリット
住まいには、快適さだけでなく「安全」や「安心」も求められます。断熱リフォームで改修する窓や壁、天井、床などは、住まいの耐震性にも大きく影響する部分。効率的に住まいの性能を高めるため、断熱リフォームは耐震リフォームと同時に行うことをおすすめします。
内部リンク提案:耐震リフォームの費用はいくら? 葛飾区・江戸川区・足立区の相場や補助金を解説(今回リライトした記事)
「断熱リフォーム」まとめ
現在、日本では国を挙げて省エネ住宅の推進をおこなっています。これから家を建てる方はもちろんですが、すでにお住まいをお持ちの方も断熱について考えてみる必要があるでしょう。
ぜひ、断熱リフォームについて検討してみてください。
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