Reform Column
リフォームコラム
Vol.75 耐震リフォーム相場解説 葛飾区・江戸川区・足立区の補助金や減税制度【2025年版】
地震大国である日本。地震の多い日本では、建物に十分な耐震補強をしなければいけません。住宅が木造であったり、築年数の古い場合は、地震に備えて耐震補強を検討している方もいることでしょう。
ここでは、耐震リフォームの相場と内容を紹介していきます。
耐震リフォーム(リノベーション)のメリット
耐震リフォーム(リノベーション)には、次のようなメリットがあります。
安心・安全に暮らせる
出典:「住宅性能評価・表示協会『新築住宅の住宅性能表示制度かんたんガイド』(2022年11月7日版)」
ご存じのとおり、日本はさまざまな場所で地震が発生する地震大国です。南海トラフ地震や首都直下型地震など、今後30年以内に起こる可能性が高いとされている大規模地震も少なくありません。1995年の阪神・淡路大震災では、旧耐震基準の住宅の多くが倒壊しました。最大震度7を2度観測した2016年の熊本地震では、現行の建築基準法レベルの木造住宅も少なからず大破・倒壊しています。一方、耐震等級3の木造住宅は、大破・倒壊がゼロでした。
現行の耐震基準も「最低限満たさなければならない基準」にすぎません。耐震リフォームによって耐震等級2、3レベルにまで耐震性を向上させることで、安心・安全に暮らすことができます。
地震保険の保険料が下がる
割引制度 | 割引率 | 割引の適用条件 |
---|---|---|
免震建築物割引 | 50% | 住宅の品質確保の促進等に関する法律(以下「品確法」)に基づく免震建築物である場合 |
耐震等級割引 | 耐震等級3:50% 耐震等級2:30% 耐震等級1:10% |
品確法に基づく耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)を有している場合・国土交通省の定める「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」に基づく耐震等級を有している場合 |
耐震診断割引 | 10% | 地方公共団体等による耐震診断または耐震改修の結果、改正建築基準法(昭和56年6月1日施行)における耐震基準を満たしている場合 |
地震保険の保険料は、上記のように耐震性能に応じた割引があります。耐震診断をしたり、耐震リフォームによって免震建築物としたりすることで、保険料が下がります。
資産価値の向上にも期待できる
1982年以前に建築された住宅は、基本的に住宅ローン減税の対象外です。しかし、耐震リフォームをしたうえで「耐震基準適合証明書」を取得すれば適用となります。また、耐震基準適合証明書があれば、不動産取得税や登録免許税の優遇も受けられるため、資産価値の向上にも期待できます。
耐震リフォームの方法と費用相場
耐震リフォームは、数十万円で済むものもあれば、数千万円もかかる大掛かりなものもあります。
一般的に耐震リフォームは、危険だと指摘された部分を補強していくパターンが多いです。また木造でよくあるリフォームには瓦屋根の張り替えがあります。和瓦の屋根(面積85㎡)を軽量な素材に張り替えた場合、費用は100~120万円かかるのが一般的です。
リフォーム例①費用:約50万円
工事内容:外壁に補強材(ブレース)を取り付ける工事
耐震リフォームは、建物の内側と外側の両面で多様な工法があります。「内側の見た目を変えたくない」「今まで通り暮らしながら耐震リフォームしたい」という方に適しているのが、外部からブレースを取り付けて強度を上げるという工法です。ブレースとは、鉄製の筋外のこと。ブレースによって、建物の靭性とせん断耐力を向上させることができます。
リフォーム例②費用:約65万円
工事内容:外壁の柱・土台に耐震パネルを取り付ける工事
家の外壁材を剥がして、柱とその土台に耐震パネルを取り付ける工事です。柱と土台の結合を補強することで、耐震性を高めます。
リフォーム例③費用:約120万円
工事内容:屋根のふき替えや外壁全体の補強または外壁を作り直す工事
日本の特徴である瓦の屋根は、家の重心を上に上げてしまいます。重心の高い家は地震が発生した際に大きく揺れやすいため、注意が必要です。屋根の素材を軽くすることで家が揺れにくくなり、耐震性が高くなります。
耐震リフォームの減税制度
一定の要件を満たした耐震リフォームを行うことで、所得税や固定資産税などの控除が受けられます。
住宅ローン減税
住宅ローン減税はマイホームの購入に対する減税制度というイメージが強いかもしれませんが、リフォームでも利用できます。
返済期間10年以上の住宅ローンを組んで実施する新耐震基準に適合させるための修繕・模様替えは、住宅ローン減税の対象です。借入限度額は2,000万円、控除率は0.7%のため、最大控除額は140万円となります。
詳細は、国土交通省『住宅ローン減税(増改築)について』をご参照ください.
リフォーム促進減税
耐震性能を高めるリフォームは、所得税・固定資産税の減税制度の対象です。所得税の最大控除額は最大25万円、固定資産税はリフォーム翌年分が2分の1減額となります。
詳細は、国土交通省『住宅リフォームにおける減税制度について』をご参照ください.
耐震リフォームの補助金制度
耐震リフォームへの助成は市区町村が行っています。葛飾区・足立区・江戸川区の耐震リフォームの補助金制度は、次のとおりです.
葛飾区(※令和6年度受付終了)
項目 | 建築時期 | 助成 限度額 |
助成金額の 算定方法 |
|
---|---|---|---|---|
旧耐震基準木造住宅 | 補強設計・耐震改修 | 昭和56年5月31日以前に工事に着手されたもの | 最大 200 万円 |
補強設計費と耐震改修工事にかかる費用の 2/3 |
耐震改修 | 最大 180 万円 |
耐震改修工事にかかる費用の 2/3 | ||
新耐震基準木造住宅 | 補強設計・耐震改修 | 昭和56年6月1日から平成12年5月31日以前に工事に着手されたもの | 最大 200 万円 |
補強設計費と耐震改修工事にかかる費用の 2/3 |
葛飾区では、上記の補助金制度に加え、耐震診断士の無料派遣を行っています。2024年度の耐震助成申請は終了していますが、旧耐震基準耐震診断は受け付けています。2025年度も同様の補助金制度がスタートする可能性があるため、葛飾区のサイトをチェックしておきましょう.
詳細は、葛飾区のサイトをご参照ください.
足立区
項目 | 助成率 | 上限額 |
---|---|---|
耐震改修工事(戸建て住宅) | 耐震改修工事費用の9割 | 上限150万円(特定地域の昭和56年6月1日から平成12年5月31日までに木造軸組工法で建築された2階建て以下の住宅は上限200万円) |
足立区の耐震助成は、2023年4月から3年間限定で大幅拡充しています.
詳細は、足立区のサイトをご参照ください.
江戸川区
項目 | 助成率 | 上限額 |
---|---|---|
耐震改修工事 | 構造や住民税課税・非課税に応じて1/2〜2/3 | 構造や住民税課税・非課税に応じて150〜200万円 |
江戸川区では、葛飾区同様、耐震改修工事に加えて、耐震診断士の無料派遣を行っています.
詳細は、江戸川区のサイトをご参照ください.
耐震・断熱同時リフォームのメリット
住まいには、安全性や安心だけでなく、快適さも求められます。耐震リフォームで改修する壁や屋根、床などは、住まいの断熱性にも大きく影響する部分です。効率的に住まいの性能を高めるため、耐震リフォームは断熱リフォームと同時に行うことをおすすめします.
参考:断熱リフォーム解説 葛飾区・江戸川区・足立区と国や東京都の補助金【2025年版】
「耐震リフォーム」まとめ
耐震リフォームの平均的な費用は、150万円前後と言われています。ただし、耐震リフォームが必要な住宅の多くは、断熱性能も高くないものと考えられます。断熱改修の補助金制度も近年は非常に充実しているため、耐震・断熱の同時リフォームをおすすめします.
耐震性や危険度は、素人目には判断が難しいものです。まずは専門家に相談し、どのような耐震補強が必要か判断してもらいましょう.
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