Reform Column
リフォームコラム
Vol.24 オール電化リフォームを成功させるためには?
キッチンやお風呂のガスを廃して、全て電気式のものに変える「オール電化」は光熱費の節約ができると人気を集めています。
しかし「思ったより節約にならなかった」という声があることも事実です。
今回は、費用面を中心にオール電化リフォームのポイントをご紹介します。
オール電化のメリットとデメリット
まず、オール電化のメリットとデメリットを確認しておきましょう。
メリット
オール電化ではIHクッキングヒーターを導入することになりますが、これはガスコンロに比べて手入れが簡単です。
炎を起こさないため火災のリスクも低くなり、ガスのように室内に一酸化炭素が充満することもありません。
オール電化は実は災害時にも強い側面があります。
電気はライフラインの中で最も復旧が急がれるインフラであり、東日本大震災時も電気・水道・ガスのうち最初に復旧したのは電気でした。また、非常時には給湯器に蓄えられた水を生活用水として利用することが可能です。
デメリット
IH調理器は使える鍋が限られるほか、頻繁にフライパンを持ち上げるような調理もできません。
身近に火がないことは、子どもが火の危険性を知る機会を奪うとも言えます。
また、給湯器はガスの場合より設置場所を広めに取る必要があり、導入費用も高めです。
オール電化の導入費用はどれくらい?
オール電化で最低限必要になるのは給湯設備(エコキュート)と調理設備(IHクッキングヒーター)です。
エコキュート
所要費用:55万~95万円
電気温水器であるエコキュートは、大きさによって値段が変わりますが、家庭用なら約45万~80万円です。これに設置工事費などが10万~15万加わります。
IHクッキングヒーター
所要費用:20万~45万円
ビルトインタイプのもので15万~35万円程度です。
また、配線工事やガス閉栓といった諸工事で5万~10万円かかります。
ガス給湯器・コンロを新品に交換するだけなら合計費用は約35万~55万円のため、初期費用は割高だと言えるでしょう。
オール電化のエネルギー効率
種 類 | 1Kワットのエネルギーを得るためのコスト |
都市ガス | 15.27円 |
LPガス | 21.21円 |
オール電化(昼) | 31.90円 |
オール電化(夜) | 13.18円 |
※2015年12月現在
オール電化は発電時間帯によって値段が変わります。
昼間の電力が高めに設定されていますが、特に電気を消費するお風呂などに夜間蓄えた電力を使うことで、電気代を節約することが可能です。
共働きなどで昼間は家族が家にいないというご家庭は、より大きな節約効果が得られるでしょう。
基本料金は違うの?
光熱費の料金は、使用量に比例した金額を基本料金に上乗せする「従量課金制」の形態をとっている場合がほとんどです。
一般的な家庭で電気とガスを併用する場合とオール電化の場合の1ヶ月の基本料金を比べてみましょう。
種類 | 1ヵ月分の基本料金 |
都市ガス | 約1036円(20~80立方メートルの場合) |
LPガス | 約1700円(同上) |
オール電化(昼) | 842.42円(30アンペアの場合) |
オール電化(夜) | 1,296円(6キロボルトアンペアの場合) |
※2016年1月現在
都市ガスと電気の併用で1878.42円、オール電化は1296円となり、基本料金の部分はオール電化に分があるようです。
リフォームをするときのポイント
基本料金の差やガスよりも安価な夜間料金を上手く使うことで、オール電化リフォームによる節約ができます。
工事費用はかかりますが、およそ10年ほどで元が取れるでしょう。
また、冷暖房費の節約を目指すなら、建物の断熱性・遮熱性にも注目してみてください。部屋自体が温まりにくければ、熱効率は悪くなってしまうためです。
電気代の節約もでき便利なオール電化へのリフォームを考えてみてはいかがですか?