Reform Column
リフォームコラム
Vol.80 シロアリ被害の影響は?リフォームでシロアリ対策
木造住宅に住んでいる方にとって、シロアリはとても怖い存在です。せっかく耐震補強をした住宅であってもシロアリの食害によってその耐震性が損なわれ、知らず知らずのうちに強度のない家に変えられてしまうこともあります。
まずはシロアリのことを知りましょう。ここではシロアリ被害の影響や、リフォームでできるシロアリ対策をご紹介します。
シロアリ
シロアリは「アリ」と呼ばれていますが、生物学的にはアリではなく、ゴキブリに近い生物。主食は木で、段ボールや書籍などの植物でできたものや、動物の死骸や皮革類などの動物性のものを食べる雑食です。また、食べるわけではありませんが、プラスチックや発泡スチロール、金属などもかじって穴をあけてしまいます。
建物の木材を食べるのは、ヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリです。
土台や柱などを叩くと空洞があるような音がする、障子などのしまりが悪くなったなどはシロアリが発生しているサインになります。発見したら早いうちにチェックするようにしましょう。また、イエシロアリの被害は比較的進行が早くて激しいと言われているので、可能な限り早急な対応、対策が必要です。
シロアリ被害
シロアリは湿った木材が大好物で、土の中に棲家を作り、そこから建物の土台などに侵入します。木の内側の柔らかい部分だけを食べ、表面を残す傾向があるため住んでいる人はシロアリ被害を容易に発見できません。
壁や床を食べているだけならそれほど深刻な被害ではありませんが、土台や柱の継ぎ目などを食べられてしまうと建物の強度にも影響が出るので、住んでいる人の命にかかわる問題になってきます。
木造住宅では建物全体にシロアリ被害が出る可能性がありますが、特に注意してほしいのは湿度が高くなる浴室やトイレなどの水廻りの土台や柱です。また、雨漏りなどがあると屋根にも影響が出ますので定期的にチェックするようにしましょう。
リフォームでシロアリの被害のない家に
シロアリ被害はリフォームで対策が可能です。
シロアリ対策のリフォームをする場合は、以下のポイントに注意しておこないましょう。
- 家全体で床下の点検ができる状態にする(ユニットバスやトイレなども含む)
- 屋根裏の点検ができる状態にする
- 基礎を高くする
- 旧玄関の落とし柱は基礎の上に設置する
- もともとある基礎と新しく作る基礎が二重にならないようにする
まとめると「家のいたるところを点検可能にし、また床下や屋根裏の通気性をよくする」ということです。また、木材をコンクリートで覆うと被害がわかりづらくなるので、むやみにコンクリート舗装するのは避けたほうがいいでしょう。
天井高を取ることを目的として床下を下げると、床下の確認も難しくなります。安易に床下空間を狭くしてしまわないよう注意してください。また、バリアフリー化などをする際、車いす用のスロープを玄関先に設けることがありますが、このときも注意が必要です。というのは、スロープを作ることで土台と地面(土)の距離が近くなり、シロアリが浸入しやすくなるのです。スロープを設置する際は、玄関横の土台にまでスロープがかぶってしまわないよう、専門家と相談しながらおこなうようにしましょう。
対策を練ったからと言って、絶対にシロアリ被害が起こらないというわけではありません。定期的にチェックや予防消毒をおこない、状況に応じて駆除をおこなうことで、快適で安全な家になります。
シロアリ対策をお考えの方はここで紹介したことを参考にしてみてください。