Reform Column
リフォームコラム
Vol.10 二世帯住宅へのリフォームで押さえておきたいポイント
「介護、子育ての負担を助け合うことで減らす」「祖父母と孫の交流を増やしたい」といった理由から、二世帯住宅へのリフォームを行う人が増えています。
すでに持っている住宅だけでなく、中古住宅を購入しリノベーションするケースも多いようです。
今回は、二世帯住宅へのリフォームを行う際のポイントについて見ていきましょう。
ライフスタイルを考えながら
一口に「二世帯」といっても、各家庭によってそのスタイルは大きく違います。
「キッチンやリビングは一緒がいい」「お風呂やトイレもそれぞれの分を作りたい」「玄関から完全に分けたい」など、ライフスタイルによって間取り、共有スペースも変わります。
この共有スペースの割合によって、リフォームには大きく3つのタイプがあるのです。
完全同居型
玄関やリビング、キッチンにトイレなどの水回りは共有し、寝室などのプライベートな空間だけ分けるタイプ。風呂、トイレといった部分のバリアフリー化をすることも多いです。
共有部分が多いため、工事費は全体的に割安になります。
部分共有型
「キッチンだけ各世帯に作る」「玄関だけ2つ設ける」といった具合に、家族の状況に応じて完全同居型に分離部分を設けたタイプ。プライベートを確保しつつ、二世帯の交流を持ちやすいのがメリットです。
完全分離型
1つの住宅を完全に分けてしまいます。たとえば「2階は子世代、1階は親世代」といったものです。
家の左右で分けたり、2つの建物を通路でつなげるといったパターンもあります。
設備もそれぞれの世帯ごとにそろっているため、生活の上で行き来の必要はありません。
金銭面の負担はどうするか
親子といえども金の切れ目は縁の切れ目。金銭面でのトラブルは二世帯リフォームにおいて最も多いトラブルの1つです。
電気、水道などの光熱水費、電話やインターネットなどの通信料金を二世帯で共有し、もめるパターンも多くあります。
あらかじめ配管を分けてメーターをそれぞれの世帯に設置するなどの手段が有効です。
また「リフォーム費用、ローンの負担はどうするのか」も早めに話し合っておきましょう。
親子一緒にローンを組む場合、融資条件のハードルが下がる、長期的な返済計画が立てられるといったメリットがあります。
税金にも影響する「登記」
所有者、土地の面積といった情報を登録する「登記」。
この登記の仕方によってローンや税金の額が変わります。
登記の仕方には大きく3つのパターンがあります。
単独登記
二世帯を一戸の住宅とみなし、親あるいは子の単独所有として登記する方法です。
親世代の場合は問題ありませんが、子世帯で単独登記する場合、贈与税が発生することもあるので注意しましょう。
共有登記
親と子の共有資産として登記する場合です。
リフォーム費用をそれぞれの世帯で分けて登記することで贈与税は発生しません。
区分登記
二世帯を二戸とみなし、住宅を分けて登記する方法です。
先述の完全分離型の場合に限り区分登記ができます。
二世帯住宅へのリフォームは、それぞれの家庭のライフスタイルによって変わります。
また、将来に備えたバリアフリー化など先を見据えた計画も必要でしょう。
家族だからこそしっかり話し合い、納得いくリフォームにしたいですね。