ハウスメイキングラボ(住宅コラム)
Vol.80 間取りに大きく影響する! 階段の配置のポイント
注文住宅の間取りを考える際に気を付けたいのが、階段の配置です。
階段は1階と2階(また3階)をつなげる動線で、ひとつの階段が1階と2階の両方にかかわるものになります。つまり階段の配置は間取り全体に影響を及ぼすものであるということです。
ここでは、間取りに大きく影響する階段を配置する際のポイントなどについてご紹介します。
階段に関する決まり
階段の配置を考える前に、階段の配置に関する決まりについて把握しましょう。
階段には種類ごとに最低寸法が法律で定められているので、好き勝手にデザインして設置することができません。
直進階段
直進階段は一直線に伸びるタイプの階段です。縦の長さが2.7m、横幅が0.9m以上になるように設計されている必要があります。
折り返し階段
途中に踊り場があり、折り返すように曲がっているタイプの階段です。階段の1段目から踊り場の壁までの長さ、踊り場の壁の幅ともに、1.8m以上を確保する必要があります。
らせん階段
らせん状の階段です。直径が1.8m以上である必要があります。
また、段についても法律で次のように定められています。
幅:75㎝以上
踏面(段の上面の縦の長さ):15㎝以上
蹴上(次の段までの高さ):23㎝以下
寝室のある階を中心に階段の位置を決める
2階建ての場合、1階にLDKを設置することが多くなると思います。その際、1階から間取り(階段の位置も含む)を考えた場合、2階の間取りは階段がどこに上ってきているかを基準にして作らなければならなくなります。偶然にもそれが最善の位置であれば問題ありませんが、場合によっては階段の位置のために無駄に廊下の長い2階になってしまったり、ドアの前に階段が来たりしてしまい、階段の位置を変えなくてはならなくなることがあるかもしれません。階段の位置を変えるとなると、1階の間取りも変更しなくてはならなくなり、大きな手間になってしまいます。
また、3階建ての住宅であれば、2階にLDKを置くこともあるかもしれませんが、その際は3階から間取りを決めるようにしましょう。
どの階を中心にしても、後々不具合が生じてしまうということもあるでしょうが、その場合でも、LDKなど目的の大きく異なる部屋が配置されている階より、寝室など目的が似たような部屋が配置されている階を中心に階段の配置を考えたほうが、後になって変更や調整がしやすいです。
階段の配置について考える際は、寝室のある階を中心にして考えましょう。そうすることで家全体の間取りも作りやすくなります。
リビングに階段を設ける方法もある
階段はどの部屋の中でもない、廊下やホールに配置するものというイメージが強いかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
近年では「リビング階段」というのも人気を集めています。リビング階段とは、リビングに設けられた階段のことです。2階に上がるためには必ず家族のいるリビングを経由しなければならなくなり、誰とも会わずに玄関から自分の部屋へ行けてしまうことを防ぐなど、家族間のコミュニケーションがとりやすい間取りになります。
階段は単なる通路ではなく、デザイン次第では魅力的な空間を住宅の中に作ることができるものです。らせん階段などであれば吹き抜けにして上階から採光ができるようにしたり、折り返し階段の場合は踊り場を広めにとって家族の共有空間にしたりするなど、さまざまな使い方ができます。
住宅を建てる際は、階段についてもしっかり考えて間取りを作るようにしましょう。
セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。