ハウスメイキングラボ(住宅コラム)
Vol.69 ベタ基礎って布基礎とどう違う?ベタ基礎とは
地震や台風に負けない強い家を建てるのであれば、基礎部分に注目する必要があります。基礎は家を支えるものです。基礎が変わるだけでその家の頑丈さも大きく変わります。
家の基礎の種類に「ベタ基礎」というものがあります。「ベタ基礎」とはどのようなものでしょうか。ここでは「ベタ基礎」がどのようなものか、布基礎との違いを交えながらご紹介します。
ベタ基礎と布基礎の違いとは
日本の木造住宅の場合、布基礎と呼ばれる基礎が多く採用されていました。布基礎は建物の壁に沿って鉄筋コンクリートを打って作る基礎のことです。地面に接するコンクリート部分や使用する鉄筋が少なくコストを抑えられますが、地面に接する面が少ない分安定性は低いといわれています。
それに対してベタ基礎は、床下全体にコンクリートを打って作る基礎です。床下全体が鉄筋コンクリートによって地盤と広く接しているため、家の重さが分散されてより安定した家にすることができます。
建物自体が重い場合や、地盤が弱い土地などであればもちろんのこと、最近では地震や台風に対する耐性も住宅選びの重要なポイントになっていますので、木造住宅であってもベタ基礎を採用する方が増えています。
ベタ基礎のメリット
ベタ基礎は地面を鉄筋コンクリートと防湿シートで覆います。そのため、建物の安定性以外にもいろいろなメリットがあります。
■湿気を抑える
前述のとおり、ベタ基礎は防湿シートで地面を覆った上にコンクリートを打ち込みます。そのため地面から上がってくる湿気が建物の中に侵入しにくくなり、住宅内の湿度を一定に保ちやすいというメリットがあります。
■シロアリなどの害虫対策になる
地面と住宅の間にコンクリートが挟まることで、シロアリやムカデといった害虫の侵入を防ぐことができます。
■断熱性がある
コンクリートが断熱材の代わりになり、外気温の影響を受けにくくなります。
ベタ基礎に不向きな住宅
ベタ基礎には布基礎にはないメリットがたくさんあります。しかしすべての住宅や地域で、常にベタ基礎が優れているというわけではありません。中にはベタ基礎には向かない場所もあります。
例えば北海道などの、寒い地域の住宅がそれです。寒い地域は冬に地面が凍ってしまうことがよくあります。建築基準法で、建物の基礎は凍っている地点(凍結深度)よりも深いところに作らなければいけないと決められています。基礎の下で地面が凍ってしまうと、基礎が持ち上げられて住宅の損傷につながる恐れがあるからです。
北海道などの寒い地域では凍る場所がそのほかの地域よりも深くなります。そのため基礎をより深いところまで伸ばさなくてはならず、地面を覆うようなベタ基礎は不向きなのです。
北海道などの寒い地域のように、ベタ基礎よりも布基礎のほうが適している地域もありますが、一般的にはベタ基礎のほうが安定性などを始めとした多くの点でメリットがあるといえます。
新しく住宅を建てる方は、ベタ基礎について検討してみてはいかがでしょうか。
セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。