ハウスメイキングラボ(住宅コラム)
Vol.58 バリアフリーの家を作るには?両親との同居で知っておくべきポイント
「結婚した」「子供ができた」などといったライフイベントをきっかけに新しく家を建てる方が多いですが、両親との同居をきっかけに家を建てるという方も珍しくありません。
高齢になった両親が、遠く離れたところで暮らすというのは不安が多いものです。それを解消するために同居をする場合、家を建てる段階から両親の体力の低下などに気を配らなければいけません。ここでは、両親と同居を始める前におさえておきたい、バリアフリー化した住宅のポイントをご紹介します。
家の中の段差を減らす
高齢になると自然と足を上げにくくなるものです。段差を減らせば減らした分だけ、つまずいて転倒する恐れも少なくなります。また、車いすを利用するようになっても移動がスムーズに行えるため便利です。
どうしても段差が生じてしまうところは、手すりをつけたり、足下に照明を用いて段差を見えやすくしたり、周辺の床材に滑りにくい物を利用すると良いでしょう。つまずいても手で体勢を支えられるため、2歩目が滑らずにすみます。
玄関は靴を脱ぐ場所を区別するために、わざと段差を設ける場所です。玄関ではベンチを設置したり、壁に格納できる椅子を設置したりしておくと転倒の危険を防ぐことができます。
ゆとりのある広さを確保する
高齢になるといつ車いすが必要になるか分かりません。車いすでの生活を考慮して、廊下や扉などに余裕を持っておくようにしましょう。お風呂やトイレも車いすでの利用を想定した広さが必要になります。
住宅内で温度差が生じないようにする
高齢な方は温度の調節機能が衰えます。夏場は熱中症になりやすいですし、冬場はヒートショックを引き起こしやすいため注意が必要です。
ヒートショックは浴室と脱衣所で起こるという印象がありますが、エアコンの効いた室内と廊下やトイレとの行き来でも起こることがあります。温度差を生じさせない設備の導入を検討しましょう。
トイレは寝室からすぐいけるような場所にする
高齢になると、夜中に目覚めてトイレに行く回数が増えます。また足腰の弱まりもあるため、寝室と浴室を近づけて行き来しやすい環境を作ることをおすすめします。
手すりや足元を照らすライトは家を建てた後からでも設置できますが、トイレと寝室の位置は設計時に考慮しておく必要があります。なので、家を建てる際には、バリアフリーのことを考慮して間取りを決めておきましょう。
トイレ・お風呂では介助できる広さを確保する
高齢者の方でも元気なうちは問題ありませんが、体力が落ちて身体に不自由な点があらわれてくると、場合によっては介助が必要になります。お風呂やトイレで介助するためには広いスペースが必要です。家が建った後に、間取りを広くすることは他のスペースに影響が出てしまい、難しいものです。しっかりと設計の段階から注意しておきましょう。
介助しながらの移動を行うことも考えると、廊下には車いす1つ分よりも、もう少し広い幅が必要であると分かります。肩を貸し、腰を支えながら二人並んで歩くなど、実際に体力が落ちた人や家で行う介助をイメージすることが、バリアフリーや介助しやすい家のポイントです。
バリアフリーの家を建てる際は、介護士などの意見も聞いてみると良いかもしれません。
セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。