ハウスメイキングラボ(住宅コラム)
Vol.46 注文住宅で注意したい階段の種類と高さ
一戸建てを建てるとなると、2階建て、3階建てになるのが一般的です。そのため、一戸建てに階段を設ける際は、階段自体の種類や傾斜、段の高さをどうするかなど考えることがいくつもあります。
ここでは、階段の種類と住宅を建てる前に知っておきたい階段のポイントについてご紹介します。
階段の種類と注意点
階段には直線状の直進階段やらせん階段など、構造で種類を分けることができます。一般的には以下の4つになります。
直線階段
踊り場はなく、1階から2階へ着くまでを直線でつなぐ階段のことを指します。
この階段は必要になる面積が少なく、スペースをとることがありません。しかし、階段に割り当てるスペースが限られている場合、勾配(傾斜)が急になる場合があるため、安全面を考慮する必要があります。
折れ階段
「L」字型の階段を「折れ階段」と呼びます。建物の隅に階段を配置した際、この種類を選ぶことがよくあります。上り下りでは途中に踊り場や、踏面(ふみづら)という足で踏みしめる面が三角形の形をした階段が生じます。角が踊り場ではなく三角形の階段とする場合は、階段の途中で面積の異なる段が生じるため、転倒する恐れがあり、注意が必要になります。
折り返し階段(屈折階段・回り階段)
「コ」の字型の階段「折り返し階段(屈折階段・回り階段)」と呼びます。一般的に、折り返し部分に踊り場を設けたものを折り返し階段、折り返し部分に三角形の階段を設けているものを回り階段と呼ばれます。
折り返し部分に踊り場を設けた場合、もし上の階から転んでしまっても、下まで転がり落ちずに踊り場で止まるため、比較的安心だと言えるでしょう。一方で踊り場をなくした回り階段は、折り返し階段と比べた場合、安全性の面で劣ってしまうため、注意が必要になります。
また階段の下に収納スペースを作ることができるというメリットがありますが、この階段は設置スペースを広く取る必要があるので検討される際は注意しましょう。
螺旋(らせん)階段
階段の中でも一番スペースが小さく抑えられるのが、螺旋階段になります。ただし、階段の踏面がすべて三角形に近い形状になるため、他の階段と比較して危険性が高くなります。
また、階段を使って大きな家具を運び入れることが困難になるというデメリットもあるため、注意が必要になります。「2階への別の階段を用意する」「2階にクレーンから家具を引っ張り入れられる広い窓を設置する」などの対策が必要になります。
階段の傾斜に注意
階段は、踏面(ふみづら)という足で踏みしめる面と、蹴上げ(けりあげ)という1段の高さに相当する面と、階段幅という通路の横幅という3つの要素でできています。
蹴上げが高いと階段の段数が減り傾斜が急になります。逆に、蹴上げを低くすることで、階段の段数が増え、階段の傾斜は緩くなります。住宅の場合、規定で「幅が75cm以上、蹴上げ23cm以下、踏み面15cm以上」と定められており、急な階段を設けることも許されています。ですが、ご家庭にお子様やお年寄りがいる場合は危険ですので、踏面を広くとり傾斜が緩やかな階段にすることをおすすめします。ちなみに、公共施設など人が集まる場所では蹴上げは18cm以下、住宅で利用される一般的な蹴上げの高さは21cmになります。
階段では、階段下のスペースに収納設備を設ける等の工夫をすることで家の住みやすさが格段に変わってきます。また最近流行しているリビング階段は、家族のコミュニケーションが取れるというメリットもあります。階段を設置する際、のちのち「ちょっと急だな」「手すりをつければよかった」などと後悔をすることのないように、設計士に相談しながら階段の種類などを検討してはいかがでしょうか。
セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。