ハウスメイキングラボ(住宅コラム)
Vol.29 「HEMS」とは?スマートに利用して便利で省エネ!
HEMS(ヘムス)とは
ガス・水道・電気などのエネルギーの利用状況を「見える化」すると同時に、一元管理ができるシステムのこと。
“家のエネルギーを管理するシステム”(Home Energy Management System)の頭文字をとって「HEMS」(ヘムス)と呼ばれています。政府は、2030年までに全ての住宅に設置することを目指しており、補助金などの施策を行っています。
HEMSのメリット
HEMSのメリットは大きく、家で消費されるエネルギーを「見える化すること」「自動制御すること」「ネットワーク化すること」などが挙げられます。
「見える化」のメリット
HEMSは、エネルギーを見える化し、パソコンやスマホなどに表示させます。HEMSでは、現在の使用状況や曜日、時間ごとの変化が分かります。また、電気の消費量(kWh)だけでなく料金表示ができたり、部屋ごとの使用状況もチェックできるため省エネに積極的になれます。
「自動制御」のメリット
HEMSの自動制御では、さまざまな条件や状況からエネルギーの使用量をコントロールします。
エアコンの温度設定や風量設定、電源管理を効率よく行い、省エネを目指すことができます。単純に、人がリモコンでエアコンの設定をすることも可能ですが、HEMSはもっと効率的にコントロールすることができます。
たとえば、時間帯によって設定温度を自動で変更したり、使用電力が30Aを上回ったときに特定の部屋のエアコンを停止させたりなど、状況に応じて効率的な省エネをしてくれるのです。
「ネットワーク化」のメリット
HEMSでの電力のネットワーク化は他にもメリットがあります。
特定の端末を使って1階のリビングにいながらでも、2階の部屋のエアコンの電源を消すことができるのがHEMSの特徴です。この機能は家の中だけではありません。
「出かけるときにOFFにし忘れたエアコンを、外出先からスマホで操作し電源を切る」といったことや、帰宅した時に寒い思いをしないように「リビングのエアコンを前もってONにしておく」といったことも可能です。
HEMS導入にあたっての注意点
HEMSで家電を自動制御するには、HEMSを家に導入するだけでなく、HEMSに対応した家電が必要になります。そのため、HEMSを住宅に導入しても、家電を新たに買い替えなければなりません。
現在、日本の家電メーカーでは、ECHONET Liteという通信規格が標準化され、その規格に対応した家電が徐々に増えつつあります。そうした状況を考慮すると、今後はHEMSの機能が搭載された家電が一般的に流通することになるでしょう。今後、住宅を建築する際は、HEMSを導入することをおすすめします。
ZEHと判断されれば補助金が得られる
日本政府は、2030年までに国内の新築住宅の多くに、ゼロエネルギー住宅「ZEH(ゼッチ)」を導入することを目指しています。ZEHとは年間を通して、家で創出された電気と消費した電気との差が、概ねゼロになる住宅のことを言います。ZEHの要とされているのが太陽光発電・蓄電池・HEMSです。
現在ZEHを導入した住宅に対して、補助金を支給する制度があります。ZEHを取り入れることで、1戸あたり125万円(寒冷地では150万円)が補助されます。
※ZEHについてはこちらの記事をご参照ください → 「Vol.7 ZEH(ゼロエネルギー住宅)とは?補助金制度もご紹介」
HEMSには、さまざまなメリットがあり省エネにも効果的です。太陽光発電や蓄電池なども併せて取り入れ、ZEHとすることで補助金を受けることもできます。今後は家電もHEMSに対応している商品が増えてきます。注文住宅で家を建築する際は、HEMSを利用したZEHを検討してみてはいかがでしょうか?
セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。