ハウスメイキングラボ(住宅コラム)
Vol.13 「パッシブデザイン」住宅とは?自然の恵みを活かす
地球環境に優しいエコ住宅を語る上で「パッシブデザイン」というワードを欠かすことはできません。「パッシブ(passive)」という言葉は日本語で「受動的」を意味します。
パッシブデザインというのは、エアコンなどの設備や高性能な建材に頼らす、熱や風・太陽光といった自然エネルギーを受け入れ、最大限利用して快適な住環境を実現する設計手法です。言い換えれば、パッシブデザインの住宅とは、ガスや電気などの依存率を下げた省エネを実現する住宅なのです。
今回はパッシブデザインの考え方とメリットをまとめました。省エネ住宅に関心をお持ちの方は参考になさってください。
太陽光を昼間の照明にする
昼間でも室内が暗くなってしまうと、照明代がかさんでしまいます。太陽光を利用して室内を明るくする考え方は、電気代を節約できる省エネ住宅に欠かせない設計です。パッシブデザインの住宅でも、照明に頼らずに昼間の生活を送ることを目指しています。吹き抜けを利用して、階上の窓から入る陽射しを室内に取り入れることも、その一例です。
夏は日射遮蔽、冬は日射熱を利用
自然エネルギーを活用する際、太陽光は重要な役割を担ってくれます。冬の場合は日光の熱を利用することで、室内を暖かく保つことができるのです。
しかし夏場の場合は太陽の熱が室温を上げてしまうので、できるだけ日の光を入れない「日射遮蔽」が基本です。パッシブデザインの住宅では季節毎の太陽の軌道を計算し太陽の光を取り入れたり、遮断したりします。ここで重要なポイントの一つが、軒(のき)と庇(ひさし)です。夏は陽射しを遮り、冬は陽射しを室内まで取り入れるため、軒と庇の大きさや幅・高さ、そしてその方向まで考え、計画的に設置します。
周りの建物などを想定した日照シミュレーションを行い、どこから日射を受けるのかについて調査し、日光の取り入れ具合を細かく調整していくのです。
断熱・気密で室内の快適さを保つ
室内が外気温に影響を受けやすいと、暖房や冷房の利用頻度が高くなります。パッシブデザインの住宅は、高い断熱性や気密性を目指した作りとなっており、断熱性や気密性が優れていることで、過ごしやすい室温を維持することができます。これにより、エアコンに依存することを回避し省エネに繋げています。
風通しの良さ
パッシブデザインでは通気性の向上を図って、夏場でも涼しく過ごせる環境を目指しています。極端に言えば、八方のどこから風が吹いてきたとしても良いように風の入り口と出口を設けるのです。
また吹き抜けを利用する際は、上下を含めた立体的な見地から風通しの良さを考えていきます。
前述した通りパッシブデザインの本質は、自然エネルギーを最大限に利用することにあります。天候や季節によってパッシブデザインの効果は変わってきます。しかし上手にパッシブデザインを組み合わせることで、年間を通して快適でエコな住宅になることでしょう。
パッシブデザインは、綿密でかつ繊細な設計技術が必要となります。セイズでは、分譲住宅・注文住宅にかかわらず、パッシブデザインを取り入れております(詳細はこちら)。ご質問などありましたら、お気軽にお問い合わせください。
セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。