ハウスメイキングラボ(住宅コラム)
Vol.1 二世帯住宅建築のポイント、間取りや土地購入にも注意が必要?
親と子の二世帯が同居すると言えば、「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」のような作品を思い浮かべる人も多いでしょう。二世帯住宅は「住宅購入の際にハードルが下がる」「困ったときに支え合える」といったメリットも多く、昨今再評価されています。
今回は、そんな二世帯住宅を建築する上で知っておくべき、間取りのパターンや注意点についてご紹介します。
ライフスタイルに合わせた間取り
完全同居型
冒頭で述べた「サザエさん」や「ちびまる子ちゃん」の家族のように、大人数が1つ屋根の下で生活できる間取りのパターンです。常に同じ空間で生活するため、家族愛を育むのに適していると言われています。
しかし、就寝時間といった生活習慣に違いがある場合はあらかじめ話し合いが必要でしょう。
二世帯型(完全分離型)
親世帯と子世帯が左右や上下の区切りで、完全に分かれて生活できる間取りのパターンです。お互いの生活習慣の違い干渉することなく生活できることがメリットです。
シェアハウス型(一部共用型)
同居型と二世帯型の中間といった間取りのパターンです。居住空間は親世代と子世代で独立しているものの、キッチンや玄関といった住宅の一部が共用となっています。
これまではプライバシーを尊重する傾向がみられ、完全分離型が普及してきました。その影響で核家族が進展し、家族内が疎遠になったと言われております。そういったことの反省として近年では、シェアハウス型の価値が改めて高まってきました。
土地の購入について
新たに土地選びと土地購入をする必要がある注文住宅の場合は、注意しておきたいポイントがあります。「親名義の土地に子ども名義の建物を建てる場合」の場合、親子間での贈与がないため贈与税は発生しません。しかし、あくまで親の土地を借りている扱いのため、将来の相続時には相続税が課されることになります。
贈与税と相続税を比べると、相続税の方が結果的に高くなることが多いため、あらかじめ生前贈与を考えておくと良いかもしれません。
また、相続税精算課税制度を活用すれば、2500万円までは非課税となるため、これを利用して退職金でローン返済を繰り上げるという方法もあります。
税金にも影響する「登記」
所有者、土地の面積といった情報を登録するものが「登記」です。この登記の仕方によってローンや税金の額が変わりますのでご注意ください。登記の仕方には大きく3つのパターンがありますので、以下で紹介します。
単独登記
二世帯を一戸の住宅とみなし、親あるいは子の単独所有として登記する方法です。
親世代の場合は問題ありませんが、子世帯で単独登記する場合、贈与税が発生する場合もあるので注意しましょう。
共有登記
親と子の共有資産として登記する場合です。それぞれの世帯で資産を分けて登記するため、贈与税は発生しません。
区分登記
二世帯を二戸とみなし、住宅を分けて登記する方法です。先述の二世帯型(完全分離型)の場合に限り区分登記ができます。
以上が、二世帯住宅の間取りと土地を購入際の注意点です。間取りや土地の環境だけでなく、贈与や相続といった税金対策を十分に確認しておいたほうが良さそうですね。二世帯が仲良く新居で過ごすために欠かせないポイントだと言えるでしょう。ぜひ、今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。
セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。