ハウスメイキングラボ(住宅コラム)
Vol.66 気密性が高い家のメリットにはどんなものがあるの?
家を購入する際に、チェックしておきたいポイントのひとつとして、「家の気密性」というものがあります。気密性が高ければ高いほど、隙間風などが少なくなります。
しかし、気密性が高すぎてもいろいろな問題がありますので、お住いの環境などを考慮して、最適な気密性の家を選ばなくてはいけません。
高気密の家のメリット・デメリットを把握して、快適な家を見つけるようにしましょう。
隙間の面積を示すC値
家の気密性を知るためには、まずC値について知っておく必要があります。
C値とは「相当隙間面積」を示す数値のことで、C値が高ければ高いほど、その家にある隙間の面積が多くなり、気密性の低い家になります。
換気口などのように、家の構造上もともと空いている穴をすべて塞ぎ、室内の空気を送風機で強制的に外に排出して、そのときに生じる気圧差と風量で隙間の面積を算出します。
C値を算出するための計算式は以下のとおりです。
【C値(㎠/㎡)=家全体の隙間の合計(㎠)÷建物の延べ床面積(㎡)】
C値の基準値は地域によって異なりますが、例えば首都圏であれば5.0㎠/㎡以下に設定されています。
気密性の高い家のメリット
では、C値の低い(気密性の高い)家のメリットについて見ていきましょう。
省エネにつながる
気密性が高ければ、隙間風が減るため、室内の温度を一定に保ちやすくなります。そのため冷暖房の効きがよくなり、省エネにつながります。
体調管理がしやすい
高気密の家は温度を一定に保ちやすくなるだけでなく、黄砂やPM2.5・花粉などの侵入を防ぎやすくなるといったメリットがあります。人体に有害なアレルギー源の侵入を防げるため、体調の管理がしやすくなるのです。
遮音性が高くなる
空気の出入りが少なくなれば、空気の振動によって伝わる音が聞こえにくくなるということです。
そのため外の騒音が気にならなくなる、また家の中の音が外に漏れにくくなるなど、遮音性の向上が期待できます。
気密性の高い家のデメリット
メリットがたくさんある気密性の高い家ですが、あまりにも気密性が高すぎてしまうとデメリットがあります。
自然換気ができない
気密性が高いと、それだけ室内の空気が部屋の中にとどまりやすくなります。
そのため、窓や玄関ドアを開けるなど、定期的な換気が必要になります。
また、機械的な換気システムの導入も必要になるでしょう。
シックハウス症候群になりやすい
気密性が高いと、建材に含まれているホルムアルデヒドが外へ逃げにくくなってしまいます。実際、シックハウス症候群は高気密住宅で起こりやすいと言われておりますので、定期的な換気、もしくは機械的な換気システムを充実させるなどといった対策が必要です。
気密性の高い家にはたくさんのメリットがありますが、気密性が高すぎるとデメリットが生まれてきます。家を購入する際は、C値をしっかり確認し、気密性が高い住まいの場合は換気システムなども合わせて家を選ぶようにしてくださいね。
セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。