ハウスメイキングラボ(住宅コラム)
Vol.53 液状化の原因は土地にある?液状化しやすい土地の見極め方
1年の東日本大震災で、液状化が見られた地域がありました。道路のマンホールが浮き上がった映像は記憶に新しいでしょう。液状化とは、その土地の土砂(粒子)に含まれている水分が地震の振動によって地表に上昇し、その結果地盤が沈下することです。
液状化は住宅地でも起こる可能性があり、倒壊しないまでも家が傾いてしまう恐れがあるため注意が必要です。ここでは、液状化が起こりやすい土地の見極め方や液状化しにくくするための方法などを紹介します。
液状化しやすい土地の特徴とは
比較的新しい埋立地
2011年の東日本大震災では、千葉県浦安市をはじめとした湾岸地域などで液状化が起こりました。50~60年以内に造成された地域で液状化が起こっていたとされています。
また、埋め立てした後100年経過していても液状化する恐れがあるため注意が必要です。
川や沼、池があった場所
川は長い歴史の中で何度も流れが変わっていることがあります。氾濫で流れが変わったり、敷地造成のために流れを変える工事が行われたりしますが、これらが原因でもともと川が流れていた地域が、池や沼地として残っている場合があります。
このため、沼や池がある場所(かつてあった場所)は、地下水位が高く液状化が起こりやすいため注意が必要です。現在の地図と古い地図を見比べた上で住宅を建てる土地を探すことをおすすめします。
大河川の沿岸
大きな川の沿岸では、水の流れによって運ばれた土砂が溜まり、高く積み重なっている場所があります。この土砂が溜まった場所は水はけが悪いので要注意です。
また、川が蛇行した部分や合流した部分も氾濫が多い場所と考えられます。現在の流れが真っすぐでも、昔は激しく蛇行していたために土砂が蓄積された土地が点在しているというケースがあるため、古い地図で確認するようにしましょう。
元田んぼとして使用された場所
地形以外にも、液状化はその土地がどのように使われていたかも影響してきます。熊本地震では、かつて田んぼだった土地で被害が出ています。熊本では湿地の土を掘って、田んぼ(堀田)を造成し、その土地に盛り土を行って改良した土地が多かったとされています。
こうした不安定な土地の上に盛り土をしたため、液状化が起こったと考えられています。過去に田んぼだった地域(東京では目黒川沿いなど)の土地はあまり頑丈とは言えないでしょう。
沢埋め盛り土の造成地
なだらかな丘が続く地域でも造成によって液状化が起こる可能性があります。谷や沢を埋めた場所は、他と比べて盛り土が厚くなり、地下水の流れを受けやすくなるのです。
東日本大震災でも近年造成された土地で噴砂(※1)が確認されています。新しい土地で、名前に「~丘」や「~山」が付く場合は注意が必要です。
※1.噴砂:砂が地下水と共に吹き出る現象のこと。
液状化対策はないの?
液状化を防ぐには「地盤改良工事を行う」「基礎を頑丈に作る」という方法があります。
液状化が起こるような軟弱な地盤は、地震の揺れが大きくなるため注意が必要です。特に木造住宅の場合、地震の揺れ幅が大きくなる共鳴現象が起こりやすいため、地盤を改良した上に基礎を頑丈にする必要があるでしょう。気に入った土地に液状化の恐れがあると分かった場合は、まず地盤改良を行うことが大切です。
液状化が起こりやすい地域は、その土地の歴史や過去の使用方法などで判断することができます。地域の自治体に歴史関連の博物館がある場合は、積極的に利用してみましょう。また、都道府県のホームページから土地の報告書を調べてみるのも1つの方法です。液状化予測報告書が閲覧できる地域もありますよ。
セイズは、デザインと機能性を両立させた
高耐震デザイナーズのZEH住宅を造り続けています。